生命保険はじめました
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久しぶりに、1年次のセクションの仲間が古い教室に集まった。90名の仲間が同じ教室ですべて同じ講義を受けた1年次とは打って変わって、2年次はすべてが選択科目制であるため、なかなか皆で集まる機会がない。そこで、各学期に一度だけ、皆で集まって、好きな教授を選んで、なんらかのテーマでディスカッションをすることにしている。学級委員長としての職務は日程の調整・連絡とテーマ選択、事前に皆に近況報告のアンケート記入を呼びかけ、あとは皆でほうばるピザの注文と宅配。ピノキオというハーヴァードスクウェアのピザ屋へでかけ、70名分のピザを車のトランクに積んでキャンパスへ戻った。
担任の教授も交えた90分のセッション、前半はピザとコーラをほうばりながら、近況を報告しあう。特に、新たに婚約をして結婚を控えている人、子供ができた人が多い。留学生活中は、プライベートな面での進展が非常に多い環境だったりする。卒業後の進路は、やはりコンサルティングが多いのだが、その他には投資銀行、事業会社、ベンチャー、PE・ヘッジファンドといったところか。元の会社に戻る人たちも、何人かいた。 後半は教授にモデレートしてもらいながら、このMBAプログラムを通じて何を得たか、感じていることをディスカッションすることにした。たくさん友達ができた、世界観が広がった、ビジネススキルが身についた、といったこと以外に、特に印象に残ったのは、以下のコメント: ・ 入学前は正直MBAなんて対して役に立たないと思っていたが、先日職場同期でMBAに結局行かなかった友人と久々にビジネスの話をした。あるケースを分析するにあたって、彼と比べていかに自分が広く深く分析できているか気がつき、この1年半で自分が随分と成長していたことに気がついた。 ・ クラスメートやケースの登場人物にはすごい人がたくさんいたが、それぞれがなんらかの不安やsense of insecurityを抱えながらキャリアを築いている、ということに気がついた。どんなにすごい人でも皆が悩み苦しみながら生きている、ということは大きな励みになった。 ・ ハーバードMBAというとすごい肩書きのように思っていたが、卒業後こそが本当のチャレンジであり、これからずっと継続して努力し続けなければならない、ということを学んだ。 ・ 自分と異なる意見がどれだけたくさんあり、それらに注意深く耳を傾けることで、思いがけない知恵を得ることができるということを学んだ。 ・ ここにいられることがどれだけ恵まれたことかということをかみ締めるとともに、入学前の自分の世界がいかに小さくて、我々には世界中にどれだけ多くの機会が待ち受けているか、ということに気がついた。 僕自身はというと、ここでまとめることは到底できないのだが、大きくは3つであるように思える。 ・ ビジネスセンス。ビジネスというのは非常に複雑で有機的な営みだが、事業を成功に導くにあたっては、戦略・ビジネスモデルから、営業、マーケティング、生産、物流、資金繰り、設備投資、会計、リーダーシップ、倫理、人材・組織、交渉など、考えなければいけないことが非常に多い。一つ一つの専門家になったつもりはまったくないが、800近いケース分析を通じて、満遍なく多岐にわたる事項に目を光らせ、どこにてこ入れが必要か、そのためにはどのようなリソースをどうやって調達するかなど、商売の「ツボ」をかなり身につけることができた。もちろん、理論と実践は別物だが、理論を持って実践に望むことができたら頼もしいに違いない。 ・ 世界観が飛躍的に広がった。キャンパスにいると、時代、国、業界、成長ステージを越えて、多岐に渡るビジネスや人物像、意見や価値観、人生観にexposeされるので、より大きな視点を持って、自分のこれからの人生を歩んでいけるように感じている。結局のところ、it's all about perspectivesという気がするので、これは本当に値段をつけることができないほど貴重な体験だと思う。 ・ very deep self reflectionを絶えず余儀なくされたこと。いきなり世界中から集まった90名の中にほうりこまれ、自分とは何者なのか?ということを考えることに始まり、ケースでは常に「自分がその立場にいたらどうするだろうか?」を考えさせられ、リーダーシップや倫理のコース、あるいは著名人のスピーチや進路を考えるにあたって、繰り返し「自分にとって大切なものは何か?自分とはどういう人間なのか?」ということを自問させられた。これは留学生活のあいだだけの一時的な体験ではなく、今後の人生でも絶えず行なっていく必要があることだ。 #
by diwase
| 2006-02-23 13:44
| Class
今週号のBusinessWeekのカバーストーリー"Going Private" は、近年のPEブームをバイアウトファームで働く経営者の視点から捉えていて面白い。
ジャック・ウェルチはCDRというファンドの会長を、元IBMのガースナーはカーライルの会長を勤めていることはよく知られているが、他にも元フォードやGapの会長がバイアウトファームの投資先で活躍していることを取り上げ、いまや公開会社の経営者よりも、非上場化したビジネスの方が四半期毎の業績にとらわれず、長期的な視点から経営ができること、そして彼らにとっても金銭面でのアップサイドの可能性が高いことを強調している。ガースナーは、「公開企業の経営者に戻りたいとはまったく思わない」と述べた上、最近の米国株式市場における四半期毎の業績が過度に重視されることを問題視している。 今回面白いと思ったのは、これまでは「バイアウトファンドは短期的な利益のみを重視し買収先企業を切り売りする」、といった「バイアウトファンド=短期思考」という論調で語られることが(日本では)多いが、実際には平均的な株主の保有期間が半年以内であるという米国の実情にかんがみれば、簡単に売買できる株式市場の株主よりも、中期で大きなゲインを狙わなければならないバイアウトファンドの方が長期視野でpatientな株主であり、次の買い手にも魅力的と映るような持続可能な成長力を持った企業に育てあげなければならない、といったことだ。アクティビスト=ものいう株主の活躍が目立ってきた日本の現状は、米国の株式市場に少しずつ似てきていることも考えると、同様の議論が日本でもされるようになるのも遠くないだろう。 「バイアウトファンド=善」であると断定するつもりはないが、本質的な役割を踏まえたうえでバランスの取れた議論がされることが、今後の資本市場およびPE業界の発展にも望ましいと考えている。 #
by diwase
| 2006-02-21 15:56
| Private Equity
先週の Leading Teamsの授業で、Public Image Assessment Exerciseなるものをやった。自分のパブリック・イメージ、すなわち世間にどう見られたいか、どう見られたくないかをキーワードでどんどん書き出していき、そのために何をすべきか、何をしないべきか、といったものを書き出してみる。「己を知る」というself assessmentは何をやるにしても継続的に行なっていく必要があるものだが、今回はそのアセスメントがチームのパフォーマンスにどう影響するか、という視点から議論もした。
「イメージ」というと、なんだか「真の姿とは異なる偽りの姿」といったネガティブなconnotationもあるようだが、人とのかかわりのなかで生きていく以上は無視できない要素だと考えるべきだし、イメージ作りは無意識のうちに誰もが多かれ少なかれ行なっていることである。ウソの自分を演じる必要はないが、じっくり付き合って本当の自分のよい面も悪い面も知ってもらう時間がない関係が多い以上、よほど「素の自分」に自身がある人以外は、一度は考えてみる価値がある。 本ブログも(ハーバード、MBA、PEなどの一部のコミュニティのあいだで)結構知られてきていることもあり、ブログを読んでくれているという方から連絡をもらったり、話をする機会が増えてきた。面白いのは、人によって持っているイメージが異なるというもの。 よく言われるのは、 「いい生活してますねー」 「勉強大変そうですよね」 「最近は手抜いてますよね」 「いつもお料理されてるんですよね」 「宴会がいつも楽しそう」 「正直、もっと偉そうな人だと思ってましたが意外と●●ですねー」 自分が興味がある記事を拾い読みして、そのなかからそれぞれの解釈を加えてイメージができあがっているのだろう。自分は留学生活のなかでハイライトとなるような印象的な場面を取り上げて書いているのだが、読んでいる方にはそれがあたかも日常であるかのように映る。自分自身についても、無意識のうちに「ありたい姿」が映しだされるように、言葉やトピックを選んで表現をしているわけだ。もちろん隠し切れないものもあるが(「あいつ自己顕示欲が強いよね」もよく言われる…)、皆さんは基本的にはボク自身の手によるイメージ戦略にまんまと乗せられてしまっているわけだ。(ちなみに白状すると、料理はたまーにしかやってないし、ここ数ヶ月はほとんどやってません…) 上手に自分を売り出していける人とそうでない人では、残念ながら巡ってくるチャンスや寄って来る人の数も変わってくる。得意な人も不得意な人も、一度自己分析とアクションプランを作ってみると、職場での周囲との付き合い方が変わってくるかもしれない。 #
by diwase
| 2006-02-21 15:09
最近授業にケースの当事者が訪れることが多いのだが、彼らが我々のディスカッションを聞いてよくいうのが、「今日指摘されたポイントは、いずれもこれまでの取締役会で何度となく議論されてきたものであり、あのときにこの議論を聞くことができたら、もっとよい意思決定ができたかもしれない」、というもの。参加する学生と教授にとっても、これが最大級の賛辞の言葉となる。
そして、HBSのケースディスカッションでは、皆が真剣に、全力で自分の意見をぶつけることこそ美徳とされる。以下、授業中によく聞かれる言葉: "I disagree" "I totally disagree" "I vehemently disagree" "I cannot disagree more" etc etc... これらの発言は個人攻撃ではなくあくまで相手の「意見」に反対しているのであり、よりよい考え方や結論を導くための不可欠なプロセスだと看做されている。どんなに激しくやりあってもお互いユーモアを忘れないし、授業が終わるとけろっとしているところが気持ちよい。真っ向から反対しあうことで、同じ問題についても様々な見方があり、多面的な視点で問題を考慮しなければならないことが自然と身につく。 正直言って、僕もこれに慣れるまでは時間がかかった。前の職場では、上司と意見が異なっても真っ向から反対することができず、どうやって相手の気持ちを害さないで自分の意見を伝えようか、苦心したものだ。しかし、そもそも「相手の気持ちを害するだろう」という考え方がおかしいことに気がつかなかった。反対意見を述べることは決して相手に失礼なことではなく、よりよい解を導くために必要なものなのだから。このHBSの教室のような雰囲気を職場でも実践できたら、どれだけ豊かなアイデアをぶつけあい、新しい解決策を生み出していくことができることだろうか。 最近、自分で理想の組織を作るならどのようなものにするか、よく考えている。まず一番基本となるのは、「成長し続けられる組織」をどう作るかだと考えている。仮に最初の実力が70だとしても、毎日毎日、「どうすればもっとよく仕事ができるか?」とメンバー全員が考え続け、改善を実践できることができたら、2~3年後の組織力はみちがえるほどよくなっているだろう。組織は一時点をスタティックに捉えるのではなく、ダイナミックな存在としてどうあれるかを考えなければならない。 これらは言うのは簡単だが、それではどう実行すべきか?それは、組織の習慣や規範作りが鍵となると思う。自分の意見を、"I disagree"と全員が立場に関係なく、冗談を交えながらぶつけ合えるカルチャーを丁寧に作りこんでいく。会議では、つねに一番ジュニアな人から、「君はどう思う?」と問いかけ、皆が自分の頭で考え、意見を表明し、それらの意見が取り入れられるような習慣をつくる。日々の仕事をただ「こなす」のではなく、どう工夫したらよりよくできるか、貪欲に考え続けることを業務の一部としていく。 いずれも容易ではないが、それは待っていてもでき上がるものでもない。組織のリーダーが絶えず組織作りの作戦を練り、積極的にしかけていき、ときにはlead by exampleで自らが中心となって示していく。そのようなnormが定着したときに、組織は強くなれる、いや、強くなり続けることができる、そう考えている。最近お気に入りの"Leading Teams"という授業では、毎日こんなことを苦戦しているチームの事例分析を交えて、議論しているわけだ。 #
by diwase
| 2006-02-19 11:50
| Class
ヘッジファンドとバイアウトの競合は最近流行のテーマだが、今日はヘッジファンドによるベンチャー投資という話。
何度か書いているが、いま取っている授業でもっとも面白いものの一つが、ヘルスケアベンチャーのコース。担当する二人の教授は、一人はHBSで教鞭に立ったのちに自分で起業し、最近になって学校に戻ってきたHamermesh教授と、ボストンの名門VCファームで現役バリバリのベンチャーキャピタリストであるHiggins教授。 (ちなみに、こちらではventureというとVCのことを指し、いわゆる創業したての会社のことはstart-upということが多い。「ventureで働くんだー」というとVCだと思われてしまう)。Higgins教授が実際に投資した会社を題材として、実際の起業家を呼んでくることが多い上、そもそもヘルスケアベンチャーというのが日本ではまだまだ存在しないため、とても刺激的だ。 そして、いくつかのケースで出てきたのが、ファイナンシングをヘッジファンドから受けるという事例。例えば、今日のDES(drug eluted stent)の会社では、 ・ Series C:約$10milをHiggins教授のVCが引き受け ・ Series D:H&QとVCもう一社のほか、MaverickとBrooksideというヘッジファンド2社が入って、4社で$30milを投資 ・ さらに1年後、Series E:TudorとPequotのヘッジファンド2社が$50mil投資 ・ その半年後:IPO、時価総額$400mil というわけで、先生はウハウハなのだが、VCではなくヘッジファンドが入っているところが興味深い。 今日の会社は、過去に2社ほどベンチャーを立ち上げて、成功裏にエグジットしている起業家なので(UCLA医学部の教授で心臓外科の権威らしい)、トラディッショナルなVCからの経営サポートはさほど必要ないのだろう。むしろ、VCはバリュエーションはけちだし経営へ口出ししてくるのでやりにくい相手であり、黙って金だけ出してくれるヘッジファンドの方が都合がよいのだろう。 ヘッジファンド側も、潤沢な資金の投資先を求めて様々な分野に手を広げている。ボクが夏働いたヘッジファンドでも、医者で他のファンドにいた人間を引っ張ってきて公開しているバイオテクノロジーの企業の調査・投資を担当させ、かついくつかベンチャー投資も手がけていた。$15bnのポートフォリオを運用するとなると、一発狙いでベンチャーに数$mil投資なんて安いものだし、デューディリジェンスも公開情報でやることに慣れているので、投資までの意思決定はとても早い。他の投資案件を探すのに忙しいので、投資後もできるだけ経営にも関与したくない。IPOが決まったら、売り抜けるのでなく追加で投資をすることもよくある。もちろん、投資銀行にとっては上客なので、いい条件でIPOができるようプレッシャーもかけられる。というわけで、一定の経験を持ったヘルスケアVCの起業家にとっては、この上ないスポンサーであったりもするのだ。 以前alternative asset firmとして勝っていくためには投資対象を広げていく必要があると書いたが、どうやらベンチャーもその例外ではないようだ。「リターンを上げられればなんでもいい」という究極のflexibilityを持っているヘッジファンドは、今後もそのテリトリーをますます広げていくような気がする。 #
by diwase
| 2006-02-16 09:20
| Private Equity
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