生命保険はじめました
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先日書いた "What is a Business For?" について、弁護士の kumapooh さんから以下のようなコメントをいただいた:
***** 似たような話は米国の会社法の議論にもありますね(たとえばCorporate Constituency Statutesの是非云々)。およそenterpriseなるものにとって永遠のテーマなんでしょう。 またそれとは関係ありませんが、今般の8チャンネルの件でも注目されましたが、リーガルリスク(純粋な取引についてのそれをいい代表訴訟リスクはこの際捨象する)と経営判断のあり方についてHBSでの授業・議論またはご経験に照らし思うところがあればご意見を頂けると幸いです。例えば、およそリスクをとることはダメなor批判される経営判断なのか、刑事・行政上のペナルティが問題の場合とそうでない純粋民事上の場合とでどうか、リーガルには大丈夫そうでもレピュテーショナルリスクをどう考えるか、法律専門家(の意見)はどう使うのが正解か、等々。 ***** 最近授業などで考えたことをベースに、回答を試みます。 まず、何度か紹介している LCA (Leadership and Corporate Accountability) のコースでは、状況分析のフレームワークとして、以下の3つの要素をもっともバランスよく満たすような判断をなすべきとされている: - Economics (経済性。収益の最大化) - Legal (法務リスク) - Ethics (倫理?というよりは、自分の信条などを含む、もっと広い意のような気がする) このフレームワークからすると、頂いた質問に対する一般的な答えとしては、「(レピュテーションも含めた)長期的な経済性と、自らが寄って立つethicsを有機的に考慮した上で、どこまで法務リスクを取れるか判断する」ということになる。 授業では、以上を表す大きな丸を3つベン図(懐かしい!)風に書いて、真ん中で交わる大きなスペースを指して、「これらの三つをすべて満たす答えがある」と教えられた。しかし、個人的にはこの教え方は、まるで方程式を解くように最適解があるかのような誤解を(若いHBSの学生たちに)与え、実務で直面するであろう悩み・ジレンマから目を背けさせる点で、よい説明だとは思わなかった。 すなわち、economics, legal, ethics の3つの要素は長期的には均衡することがあっても(「よい」経営判断を行なえば、いつかは報われる)、我々が意思決定を行い、評価を受ける短期においては、むしろ明確なトレードオフがある場合が多い気がする。例えば、長期的に環境や地元社会に「優しい」措置を選ぶと、多くの場合短期的な収益の悪化につながる、といったように。このトレードオフ、すなわち最適解など存在せず、一つをより重視すると他の何かを犠牲にしなければならないことが多いということを明確に意識した上で、経営判断を行なう必要がある。 次に、弁護士・会計士などプロフェッショナルのアドバイスをどう受けるかについて。 今週のLCAの授業は2コマ使ってエンロンのケースを扱った。利益相反を伴う横領まがいの行為は許されるべきではないが、問題とされたペーパーカンパニーを使った「飛ばし」類似のストラクチャーについては、形式的にはGAAPにも法律にも抵触しないようだった。とすると、ある行為が許されるか否かの判断は会計士や弁護士に頼るのではなく、最終的には自分のコモンセンスを働かせるしかないということになるはず。 したがって、白黒がつけ難い法律上の問題に関するlegal counselのインプットはリスクアセスメントを行なううえでのあくまで参考にすぎず、最終的には経営者としての自らの意思決定を迫られることになる(法律的に言えば、「諸般の事情を総合的に考慮して」)。 なお、法務リスクについては、一連の企業スキャンダル以降、皆がコンプライアンスに敏感になっているので、刑法上問題となりうような場合は、まずリスクを取らない(問題が生じた場合の被害が大きすぎて、リスク・リターンが割に合わない)。民事法上の場合、すなわち相手側に損害を与えうるような場合にも、長期的なsustainabilityの観点からは、まず避けるような判断を取るようなことが多い。とすると、ここでいう法務リスクとは、行政法上のリスクであることの方が多い?(ここでは医薬・食品など、健康や安全に関わる事業というよりも、ファンドによるストラクチャリングなどの事例をイメージしている)。 法律家とのやり取りについては、二つのパターンがある気がする。 1. 弁護士はOKですよと言っている場合でも、自らの意思で長期的な経済性+ethicsの観点から修正を迫られる場合(例:法律的な規制が及んでいない問題製品を自主的に回収したり、法律上の要請を超えた環境対策を行なうなど) 2. 弁護士が「うーん、きわどいです」と言っている場合に、押し切る場合。金融のストラクチャリングなどでは、保守的な大手法律事務所の場合、第一声が「それは無理です」であることが多い。こういう場合、比較的リベラルな弁護士の先生にお願いすると、クリエイティブに新しいやり方を考えてくれたり、グレーなところでも「やりましょう」と背中を押してくれる場合がある。政府の規制が理不尽と感じられるような場合には、こういう先生は頼もしい。 ごちゃごちゃ書きましたが、おおむね考え方は伝わったでしょうか? ![]()
by diwase
| 2005-02-19 13:25
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