生命保険はじめました
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最近授業にケースの当事者が訪れることが多いのだが、彼らが我々のディスカッションを聞いてよくいうのが、「今日指摘されたポイントは、いずれもこれまでの取締役会で何度となく議論されてきたものであり、あのときにこの議論を聞くことができたら、もっとよい意思決定ができたかもしれない」、というもの。参加する学生と教授にとっても、これが最大級の賛辞の言葉となる。
そして、HBSのケースディスカッションでは、皆が真剣に、全力で自分の意見をぶつけることこそ美徳とされる。以下、授業中によく聞かれる言葉: "I disagree" "I totally disagree" "I vehemently disagree" "I cannot disagree more" etc etc... これらの発言は個人攻撃ではなくあくまで相手の「意見」に反対しているのであり、よりよい考え方や結論を導くための不可欠なプロセスだと看做されている。どんなに激しくやりあってもお互いユーモアを忘れないし、授業が終わるとけろっとしているところが気持ちよい。真っ向から反対しあうことで、同じ問題についても様々な見方があり、多面的な視点で問題を考慮しなければならないことが自然と身につく。 正直言って、僕もこれに慣れるまでは時間がかかった。前の職場では、上司と意見が異なっても真っ向から反対することができず、どうやって相手の気持ちを害さないで自分の意見を伝えようか、苦心したものだ。しかし、そもそも「相手の気持ちを害するだろう」という考え方がおかしいことに気がつかなかった。反対意見を述べることは決して相手に失礼なことではなく、よりよい解を導くために必要なものなのだから。このHBSの教室のような雰囲気を職場でも実践できたら、どれだけ豊かなアイデアをぶつけあい、新しい解決策を生み出していくことができることだろうか。 最近、自分で理想の組織を作るならどのようなものにするか、よく考えている。まず一番基本となるのは、「成長し続けられる組織」をどう作るかだと考えている。仮に最初の実力が70だとしても、毎日毎日、「どうすればもっとよく仕事ができるか?」とメンバー全員が考え続け、改善を実践できることができたら、2~3年後の組織力はみちがえるほどよくなっているだろう。組織は一時点をスタティックに捉えるのではなく、ダイナミックな存在としてどうあれるかを考えなければならない。 これらは言うのは簡単だが、それではどう実行すべきか?それは、組織の習慣や規範作りが鍵となると思う。自分の意見を、"I disagree"と全員が立場に関係なく、冗談を交えながらぶつけ合えるカルチャーを丁寧に作りこんでいく。会議では、つねに一番ジュニアな人から、「君はどう思う?」と問いかけ、皆が自分の頭で考え、意見を表明し、それらの意見が取り入れられるような習慣をつくる。日々の仕事をただ「こなす」のではなく、どう工夫したらよりよくできるか、貪欲に考え続けることを業務の一部としていく。 いずれも容易ではないが、それは待っていてもでき上がるものでもない。組織のリーダーが絶えず組織作りの作戦を練り、積極的にしかけていき、ときにはlead by exampleで自らが中心となって示していく。そのようなnormが定着したときに、組織は強くなれる、いや、強くなり続けることができる、そう考えている。最近お気に入りの"Leading Teams"という授業では、毎日こんなことを苦戦しているチームの事例分析を交えて、議論しているわけだ。
by diwase
| 2006-02-19 11:50
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