生命保険はじめました
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ヘッジファンドとバイアウトの競合は最近流行のテーマだが、今日はヘッジファンドによるベンチャー投資という話。
何度か書いているが、いま取っている授業でもっとも面白いものの一つが、ヘルスケアベンチャーのコース。担当する二人の教授は、一人はHBSで教鞭に立ったのちに自分で起業し、最近になって学校に戻ってきたHamermesh教授と、ボストンの名門VCファームで現役バリバリのベンチャーキャピタリストであるHiggins教授。 (ちなみに、こちらではventureというとVCのことを指し、いわゆる創業したての会社のことはstart-upということが多い。「ventureで働くんだー」というとVCだと思われてしまう)。Higgins教授が実際に投資した会社を題材として、実際の起業家を呼んでくることが多い上、そもそもヘルスケアベンチャーというのが日本ではまだまだ存在しないため、とても刺激的だ。 そして、いくつかのケースで出てきたのが、ファイナンシングをヘッジファンドから受けるという事例。例えば、今日のDES(drug eluted stent)の会社では、 ・ Series C:約$10milをHiggins教授のVCが引き受け ・ Series D:H&QとVCもう一社のほか、MaverickとBrooksideというヘッジファンド2社が入って、4社で$30milを投資 ・ さらに1年後、Series E:TudorとPequotのヘッジファンド2社が$50mil投資 ・ その半年後:IPO、時価総額$400mil というわけで、先生はウハウハなのだが、VCではなくヘッジファンドが入っているところが興味深い。 今日の会社は、過去に2社ほどベンチャーを立ち上げて、成功裏にエグジットしている起業家なので(UCLA医学部の教授で心臓外科の権威らしい)、トラディッショナルなVCからの経営サポートはさほど必要ないのだろう。むしろ、VCはバリュエーションはけちだし経営へ口出ししてくるのでやりにくい相手であり、黙って金だけ出してくれるヘッジファンドの方が都合がよいのだろう。 ヘッジファンド側も、潤沢な資金の投資先を求めて様々な分野に手を広げている。ボクが夏働いたヘッジファンドでも、医者で他のファンドにいた人間を引っ張ってきて公開しているバイオテクノロジーの企業の調査・投資を担当させ、かついくつかベンチャー投資も手がけていた。$15bnのポートフォリオを運用するとなると、一発狙いでベンチャーに数$mil投資なんて安いものだし、デューディリジェンスも公開情報でやることに慣れているので、投資までの意思決定はとても早い。他の投資案件を探すのに忙しいので、投資後もできるだけ経営にも関与したくない。IPOが決まったら、売り抜けるのでなく追加で投資をすることもよくある。もちろん、投資銀行にとっては上客なので、いい条件でIPOができるようプレッシャーもかけられる。というわけで、一定の経験を持ったヘルスケアVCの起業家にとっては、この上ないスポンサーであったりもするのだ。 以前alternative asset firmとして勝っていくためには投資対象を広げていく必要があると書いたが、どうやらベンチャーもその例外ではないようだ。「リターンを上げられればなんでもいい」という究極のflexibilityを持っているヘッジファンドは、今後もそのテリトリーをますます広げていくような気がする。
by diwase
| 2006-02-16 09:20
| Private Equity
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