生命保険はじめました
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日本ではレストランでもホテルでもチップ払わなくていいんだよ、そうアメリカ人に教えてあげたら、随分と驚かれた。えー?じゃぁ、どうやって彼らがちゃんと働くようincentiveを与えるの?いやぁ、それはお金だけじゃないでしょ。お客様が喜ぶ顔が見たくて。そう説明してみたけれど、なかなか腑に落ちない様子。
こちらで生活をしていて感じた「アメリカ的なるもの」の一つが、このfinancial incentives。人を動機付けるには金銭的報酬がもっとも効果的であると考えられており、逆にそれ以外の非・金銭的なインセンティブは信じられていないように感じる。また、金銭的成功は出自に関わらず誰もが成功できるアメリカンドリームの根幹にあり、成功者がねたまれることはない。 前から考えていたのだが、日本でアメリカほどバイアウトが流行らないである理由として、この金銭的動機の相対的低さがあるように思える。Businessweekの先週号でも特集されていたが、こちらの経営者は買収された場合に多額の報酬が入るような契約が結ばれることが多い。P&Gに買収されたGilletteのCEOは$165mil、Bank of Americaに買収されたMBNAのCEOは$102mil、KKR/Bain Capitalらに買収されたトイザラスのCEOは$63mil。かような金額がボーナスとして入ってくるなら、そりゃ私でも売りますよ、愛するわが社を。こんなことが日本で行なわれようものなら、たとえ数億円の報酬でも 売国奴 ならぬ 売社奴 との非難を受けそう。 しかし、このように売り手のCEOに成功報酬的なボーナスを支払うことには、一応メリットもあるとされている。すなわち、経営者が保身のために躍起になって買収から防衛しようとせずに、純粋に株主にとって価値を最大化する選択をするようになり、かかる選択の成功報酬として払われるのだ、とのこと。確かに、最近の日本の経営者による公私混同というか、誰のための会社か という議論を一切無視したような過剰な買収防衛への動きを見ていると、このような議論も多少は理解したくなる。 それにしても米国の経営者の報酬は高すぎる。HBSのアメリカ人に言わせれば、「それだけ価値を創出しているのであれば、しかるべき対価が支払われるべき」ということだが、それにしても社長が就任数年間で数10億から100億近い報酬を普通に受け取っているのを見ると、違和感を感じずにはいられない。アメリカも決して昔からこうだったわけではない。ちょっと用があって10年前くらいを調べていたら、10億くらいでも結構な金額、そういう風に思われていたことに気がついた。今だったら、10億といっても驚く人はいないから。 あるいは、これはリーダーシップに関する期待と信望の違いなのか。すなわち、日本では社長が交代したからといってもそれはincrementalな改善しか望めず、彼個人の力量で大きな価値創出が行なわれるということは(なくはないが)、さほど期待されていない。むしろ、会社を引っ張っているのは常に現場であり、あるいはミドル層であり、マネジメントはあくまで「経営」ではなく「管理」をするに過ぎない、そんな考えがあるように思える。これに対してアメリカでは、救世主的なヒーローを好む風潮もあるのだろうが、一人のCEO就任により会社の舵取りは大きく変わり、それによって多大なる価値創出が可能であると信じられている。考えてみれば、HBSのリーダーシップ教育もかような信念のもとに行なわれているのだろう。 せっかくHBSにいながらも、2年目で選んだ授業はリーダーシップは含まれておらず、ファイナンスやアントレプレナーシップものが多いため、1年目のようなリーダーシップに対するパッションが多少冷めてきているのか。いけない、いけない。来週でペーパー提出と期末試験で冬休みに入るのだが、ゆっくり温泉にでもつかって振り返ってみたいところだ。
by diwase
| 2005-12-12 07:26
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