生命保険はじめました
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KKRがアジア進出を正式に発表した同日、同社の二人のシニア・パートナーが退職し、新しいファンドを立ち上げる旨、報じられた。
Ned GilhulyとScott Stuart はスタンフォードMBA時代のルームメイトであり、1986年に同時に入社。順調にパートナーまで上り詰め、創業者であるHenry KravisとGeorge Robertsの跡継ぎと見られていた二人だった。業界内では、アジア進出よりもこちらの方が大きな話題となっていた。 新しいファンドは、純粋なバイアウトファンドではなく、「バリューベースのパッシブ投資」を行なうとされていた。このニュースは、何を意味するのか? 最初に、これまで何度か論じてきたバイアウトとヘッジファンド的投資の融合を示唆しているのかと考えた。20年間バイアウトをやってきた人たちからしても、パッシブ投資の方が、割がよくリターンをあげることができると考えたのだろうか?そうだとすると、今後バイアウト業界でのキャリアを考えている人にとっては、大いに示唆にあふれる。 次に、これは friendly departure であることをアピールするため、真っ向から競合する投資はしませんよ、とするための苦肉の策だったのかもしれない、と考えた?もしかしたら、GPとしての契約のなかに、退社後何年間の競合禁止条項が入っているのかもしれない。 もっと大きなポイントは、KKRのようにカリスマティックな創業者がいるファンドの世代交代の問題。これはかつてから業界の話題になっている。次期のリーダーと目された二人が辞めたことは、クラヴィスとロバーツ(二人とも60代前半)がまだまだ辞めるつもりはないことを物語っているのだろう。 世代交代というのは、創業者がまだ実権を支配するどこの会社でも難しい問題だが、人しか資産がないバイアウトのような商売では尚更だ。創業者としては、いつまでも現役でありたい気持ちと、自分という一個人を越えたレガシーとしてのファーム作り、そのバランスに悩まされつつも、ついつい自分は身を引くことができないものだ。 同業でこの世代交代が上手く行った例としては、ウォーバーグ・ピンカスが挙げられる。もう5年くらい前だったか、創業者であるLionel PincusとJohn Vogelsteinが退き、当時まだ40歳だった生え抜きの人材、Chip Kayeを社長に添えた。さすが、紳士肌のWP。 また、最近ではブラックストーンの創業者であるスティーブン・シュワルツマンが会長に退き、CEOにDLJ/CSFBで「天才」と名を馳せていた人材(名前忘れた、Tony James?なんとか)を据えた。シュワルツマン氏は次の財務長官と前々から言われてきた人材であるので、これもスムーズに「権力の移管」が行なわれそうだと見られている。 日本にあるバイアウトファンドでいえば、ユニゾンは江原氏、MKSは松木氏、アドバンテッジは笹沼氏とフォルソム氏だが、彼らもまだまだ引退しそうもない。わが国で世代交代が論じられるのも、当分先と見ていいだろう。 (写真:シカゴの街中にある、コーン型をしたマンション。趣味がよろしくないが、穀物集積地帯である同地の名物らしい)
by diwase
| 2005-10-04 09:59
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