生命保険はじめました
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楽天イーグルスの仕事をしている親友が、金曜日から出張も兼ねて遊びに来ている。うちに泊まってもらい、土曜日には彼の母校のTufts大学のキャンパスに行ってきた。彼にお願いして、ボストンに出張中の三木谷氏を囲んで、ディナーをご一緒する機会に恵まれた。著名なビジネスパーソンと会うのは、これまで新生銀行の八城さん、日産のゴーン氏と経験しているが(リップルウッドのコリンズもそうか)、メディアを通じてしか知らない方と直接会って話しができるのは、やはりワクワクするものだ。
会食は、ボストンの和食では人気が高いFugakyuにて。キャンパスからタクシーで10分南に行く、日本人が多く住んでいるというBrooklineというエリアにある。予約は受け付けていないそうなので、僕は2人のクラスメイトとともに一足先に行って名前を告げ、バーで飲みながら待つことに。約20分後、秘書の方と僕の親友とともに、三木谷さんが登場。イーグルスの連敗の責任を取って?と報道されていた通り、坊主にしていた頭も、少しずつ髪が伸び始めている。まずはご挨拶と簡単に自己紹介。思いがけず、とても柔らかく丁寧で、気さくな雰囲気。狭いテーブルの隣に座っていただき、ビールで乾杯。 しばらくして、テーブルへ移動。店内は居酒屋のようなざわつきだったが、幸い掘り炬燵の個室に入って、和食をつまみながらビールと熱燗を楽しむことができた。今回の渡米の目的(HBSのアドバイザリーボード参加、現地のスポーツ関係者や投資家周りなど)に始まり、留学当時の学生生活、起業の経緯や今日に至るまでの成長の過程、プロ野球・サッカーに関する話、ライブドア騒動に関する裏話、IT・メディア業界の今後の展望など、幅広くお話をしてくださった。 以下、「生」三木谷さんとお会いした、感想: <誰に対しても誠実に+自然体で> メディアでみた印象では、威圧感ありそう(失礼!) と思い込んでいたのだが、会ったときから親しみやすく、丁寧。気を使って最後までお酒をついでくださったし、何よりも、僕たちが話すこと、一つ一つを丁寧に聞いてくれて、正面から全力で答えてくれたのが嬉しかった。あれだけの成功を収めていながら、まったく偉ぶることがない。誰に対しても誠実に接するその姿勢は、大いに感銘を受けた。また、驚いたのはとにかく自然体であること。コツコツまじめに努力してきた成果が今の楽天であり、今後もコツコツ僕が思うことをやっていくだけ、そんな感じだった。 <まずはやってみろ!実行力> 起業時の話を聞いていて感じたのが、とにかく実行力がすごいということ。楽天を始める前にいくつものビジネスプランを考えていた。使い捨てコンタクトレンズの並行輸入、これは米国側で担当してくれる眼科まで話をつけていた。こっちで流行ってるレストランを日本へ持っていく、au bon painの担当者と、締結直前まで話をしていた。いずれのアイデアも単なるリサーチに止まることなく、実行直前まで持っていく。さらっと語るそんな実行力のすごさに、成功の秘訣の一つを見たような気がした。 <ロジカルかつ戦略的に> 一つ一つの打ち手も思いつきではなく、非常によく考え抜かれている。自分が取った打ち手は、すべてロジカルにきっちり説明できる。「走りながら考える」アントレプレナーであると同時に、考え抜いたストラテジストであるといってもいいほど、戦略的な発想をする。楽天のビジネスモデルについても、本質まで掘り下げて考えられている(例えば、顧客の購買行動がどうあるかとか、顧客への付加価値はダイナミックに変化していかなければならない、とか)。ベンチャー企業の若手経営者というイメージよりは、成熟したジェネラル・マネージャー、そんな印象を受けた。 <自分に厳しく> 学生時代は一橋大の体育会系テニス部で「鬼キャプテン」と呼ばれていたそうだ。秘書の方も言っておられたが、ご本人は「非常にストイックで、自分に厳しい」そうだ。話を聞いていても、やると決めたら徹底してやりぬく姿勢が分かる。「僕は自分が飽きっぽいのが分かっているので、飽きないような広いプラットフォームとなるビジネスをやりたかった。飽きなければ、絶対に負けない自信がある」そうだ。 <polishedでsmartに> 会う前は、どちらかというと体育会系のイメージを持っていたが、実際に会ってみると、非常にpolishedで洗練された、男性から見てもかっこいい方だった。ネットベンチャー経営者というと「亜流の若者」というイメージを持ってしまうが、三木谷さんはどのメインストリームの政財界人に合わせても互角以上に渡り歩ける、そんな成熟した雰囲気を持っている。写真やメディアでは、必ずしも魅力は伝わりきらないなと思った。 ********** 結局、3時間半もご一緒してくださった。明日が試験であることなどすっかり忘れて、話に聞き入ってしまった。最後に、「2006年に起業するなら何やります?」の質問に対するアドヴァイス。「皆が飛びついているようなことは、絶対にやらないこと。むしろ皆が無理だと思っているもの、何か違うことをやらないと意味がない。インターネットショッピングだって、僕が始めたときは、皆それは絶対無理だ、ネットで本やCDは買っても、カニは買わない、といわれた。でも、僕は自分が信じることをひたすらやってきて、ここまで来ることができた」。 ディナーを終えて、帰り道のタクシー。HBSの仲間とともに、大喜び。本当に、思い出に残る一夜となった。いま、日本という社会に大きな影響を及ぼしている人を、等身大の身近な存在として感じることができた。誠実さや実行力、戦略性や厳しさ、あるいは洗練された雰囲気。いずれも書くと当たり前だが、そんなことを着実に実行していくことで日本中の人たちの間でファンを増やしている三木谷さん。今夜で、すっかり大ファンになってしまいました。アントレプレナーの道も、やはりいいなぁ。 このブログも、読んでいただけるかな? (追記) なんだか上手に伝え切れていない気がしたので、三木谷さんのインタビュー記事を読んだ上で、若干補足。 楽天の成功談を聞いていて思ったのは、「非常にオーソドックスな進め方をしてきた」ということ。 ・ アイデア自体は、HBS時代の友人から「こんな面白い会社がある」と教えてもらい、それを自分流にアレンジしたもの。 ・ 立ち上げ当初、伸び悩んだ頃には「どうして買ってもらえないか」を徹底的に分析、地道に問題点をつぶしていった。 ・ また、顧客獲得のために駆けずり回って営業をし、「1,000件電話かけて、1件でも取れればいい」と「根性」の営業活動を行なってきた ・ 他方で、オリジナリティを重視し、何かを真似するというわけでなく、常に自分でボトムアップで考えてビジネスモデルを作ってきた よかったことは、超人めいた人が、超幸運をもって達成したというのではなく(実際にはそうだったのかも知れないが)、オーソドックスにやるべきことをきっちりやってきた結果が、今の楽天だと理解できたこと。楽天という会社自体、三木谷さんと話をしていると非常に安定した大会社、そんな印象を持つようになった。
by diwase
| 2005-05-17 13:49
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